Shopifyブログに著者(執筆者)を追加・表示する方法|標準機能の限界とアプリ3本の比較
Shopifyブログに著者(執筆者)を追加・表示する方法|標準機能の限界とアプリ3本の比較
執筆: クルル
Shopifyのブログで著者を増やすには、その人をスタッフとして招待し、権限を2つ付けます。著者だけを登録する専用の欄はありません。この記事では、その手順を先に済ませたうえで、標準機能の限界と、写真や自己紹介まで出したい場合の3つの選択肢を比較します。
記事の下に「執筆:〇〇」と出したい。書き手が2人いるので、記事ごとに名前を分けたい。そう思って管理画面を探しても、著者を登録する画面は見つかりません。
理由はシンプルで、Shopifyの著者リストは「スタッフのリスト」そのものだからです。著者を追加するという操作は存在せず、スタッフを追加すると結果として著者に選べるようになります。まずはこの手順から見ていきます。
標準機能で著者を追加・変更する手順
記事の著者は、管理画面の「コンテンツ → ブログ記事 → 対象の記事 → 構成」にあるドロップダウンで選びます。
追加のアプリもコードも要りません。ただし、そのドロップダウンに出てくる名前には条件があります。順番に見ていきます。
記事の著者を切り替える
- 管理画面で「コンテンツ」を開く
- 「ブログ記事」から対象の記事を開く
- 「構成」セクションのドロップダウンで著者を選ぶ
「構成」は英語版の Organization にあたるセクションです。公開日やブログ(どのブログに属するか)を設定する場所と同じところにあります。
著者を「追加」する=スタッフを1人招待して、権限を2つ付ける
著者を新しく増やす正規のルートは、スタッフを招待することです。
Shopify公式ヘルプには、著者に選べる人がこう書かれています。
選択できるのは、ストアオーナーまたは管理アクセス権を持つスタッフメンバーの名前のみです。POS 専用スタッフとコラボレーターは、リストに表示されません。
つまり、著者専用の登録欄はありません。著者リスト=スタッフリストです。ライターを1人増やしたいなら、その人をスタッフとして招待する、という手順になります。
そして、招待しただけでは足りません。ドロップダウンに名前を出すには、その人に「ブログ記事とページ」と「ホーム」の両方の権限が必要です。
著者名を変更する
変更には2種類あります。「別の人に差し替える」のか、「表示される名前そのものを直す」のかで場所が変わります。
- 別の著者に差し替える:記事側の「構成」で、別の著者を選び直します
- 表示名そのものを変える:設定 → ユーザーと権限 → 対象スタッフのプロフィールで、姓・名を編集します
後者は、記事の設定ではなくアカウント側の情報です。Liquidの user.name はアカウントの姓+名なので、ここを直すと表示も変わります。ニックネームやペンネームで出したい場合も、いまのところこの姓・名を書き換えるのが標準の方法です。
ドロップダウンに名前が出ないとき
「招待したのに選べない」場合、原因のほとんどは権限です。
チェックする順番はこの3つです。
- その人はコラボレーターではないか(コラボレーターはリストに表示されません)
- その人はPOS専用スタッフではないか(同じくリストに表示されません)
- 「ブログ記事とページ」と「ホーム」の両方の権限が付いているか
3つ目の「ホーム」は見落としやすいところです。ブログを書かせたいのだから「ブログ記事とページ」だけで十分だろう、と考えると、名前が出てこない状態でつまずきます。
ここまでが標準でできることの全部です
著者の追加・切り替え・名前の変更は、ここまでの操作で完結します。逆に言うと、写真・肩書き・自己紹介を管理画面から入力する欄は、この流れのどこにも出てきません。その理由は、次の章のデータ構造を見るとはっきりします。
Shopifyが持つ著者データは「2階建て」になっている
「Shopifyは著者名しか持っていない」とよく言われますが、これは正確ではありません。名前と、それ以外が別の場所に分かれています。
Shopifyの開発者ドキュメントで、記事(article)のデータ構造を確認すると、著者まわりは2つに分かれています。
| オブジェクト | 中身 |
|---|---|
article.author | 文字列(string)=著者の名前だけ。公式の例は "author": "Polina Waters" |
article.user | userオブジェクト(記事の著者に紐づくユーザー) |
つまり、名前は article.author という単なる文字列として、それ以外の人物情報は article.user というオブジェクトとして、2階建てで持たれています。
この構造を知っておくと、この後の話が整理しやすくなります。多くのテーマが出しているのは1階部分(article.author の文字列)だけで、2階部分(article.user)はほとんど使われていない、というのが実態だからです。
出典:Shopify開発者ドキュメント「article object」(2026年8月27日確認)
標準機能の限界3つ
標準の著者機能には、実務でぶつかる限界が3つあります。順に、「誰を著者にできるか」「何を出せるか」「著者ごとの一覧が作れるか」です。
ここは他の解説記事ではあまり触れられていない部分なので、公式ドキュメントで確認できた範囲だけを、確認できた形のまま書きます。
限界1:管理画面ではスタッフしか選べない(APIなら別だが、実務では非現実的)
画面上は「スタッフからしか選べない」。ただし仕様上は、スタッフでない人の名前も著者にできます。
Admin GraphQL APIの AuthorInput には、こう書かれています。
Either the name or user_id fields can be supplied, but never both.
user_id(=スタッフの指定)ではなく name(=任意の文字列)を渡せる、という仕様です。理屈のうえでは、スタッフではない外部ライターの名前を著者として入れることもできます。
ただし、これを実行するにはアプリ開発かカスタムアプリの構築が必要です。一般のマーチャントが日常運用でやる方法ではありません。ここでは手順としては扱わず、「UIの制約はAPIの制約とイコールではない」という事実の確認にとどめます。
出典:Shopify開発者ドキュメント「AuthorInput」(2026年8月27日確認)
限界2:user オブジェクトの自己紹介・写真は「あるのに使えない」
Liquidの user オブジェクトには、自己紹介や写真のフィールドが定義されています。しかし、実運用で頼れる仕組みではありません。
公式ドキュメントを見ると、user オブジェクトには次のフィールドが定義されています。
bio / homepage / image / email / first_name / last_name / name / account_owner自己紹介(bio)も、ホームページURL(homepage)も、画像(image)も、定義そのものは存在します。それでも当てにできない理由が3つあります。
- 値が入っていなければ nil が返ると公式に明記されている
- Admin REST APIのUserリソースでは、
bioとurlが deprecated(非推奨)とマークされている - そもそも多くのテーマがこれらを描画していない(後述のDawnも
user.を一切参照していません)
この3つが重なるため、「定義はあるが、実運用で頼れる仕組みではない」というのが結論です。
ここは断定しないでおきます
「管理画面のここに入力すればbioが出せます」と書いている情報も見かけますが、実機で確認できていないため、この記事では手順として書きません。同様に「bio欄はもう廃止された」という断定もしません。確認できたのは、非推奨のマークが付いていること、値がなければnilが返ること、Dawnが参照していないこと、の3点だけです。
出典:Shopify開発者ドキュメント「user object」「Admin REST API User resource」(2026年8月27日確認)
限界3:著者アーカイブページは標準に存在しない
「この著者の記事一覧」を出すURLは、Shopifyの標準には用意されていません。
Shopifyのブログテンプレートで、公式に定義されている絞り込みURLはタグだけです。
/blogs/[blog-handle]/tagged/[tag-handle]複数タグを指定する場合は + でつなぎます。一方で、著者で絞り込むURLやテンプレートは、公式ドキュメントに存在しません。
回避策として考えられるのは、著者名をそのままタグとして各記事に付ける方法です。そうすれば /tagged/著者名 で著者一覧のようなページになります。ただしこれは理屈のうえで可能というだけで、当方では実機確認をしていません。タグは本来トピックの分類に使うものなので、記事のタグ設計と衝突しないかは事前に検討が必要です。
出典:Shopify開発者ドキュメント「Blog templates」(2026年8月27日確認)
補足:無料テーマDawnでは、初期状態で著者名すら出ない
Shopify公式の無料テーマDawnのソースを読むと、著者表示は初期状態でOFFでした。
ここは実際にソースを確認した結果です(Dawnのmainブランチ/2026年8月27日取得)。
sections/main-article.liquidにblog_show_authorという設定が存在する- 出力されるのは
<span>{{ article.author }}</span>=文字列の名前のみ templates/article.jsonのデフォルト値は"blog_show_author": false。つまり初期状態はOFFmain-article.liquidの中にuser.の参照は一切ない(写真も自己紹介も出す仕組みがない)
「著者名が出ない」と困っている場合、まずテーマエディタでこの設定がONになっているかを見てください。
ただし、これはDawnの実測値です。Prestige や Focal など他のテーマは確認していません。テーマによって出る・出ないは変わります。言えるのは、公式のDawnですら初期状態ではOFFで、しかも出せるのは名前だけ、というところまでです。
出典:GitHub Shopify/dawn sections/main-article.liquid / templates/article.json(2026年8月27日取得)
標準ブログで「できること・できないこと」の全体像は、Shopify標準ブログでできること・できないこと【2026年版・早見表付き】にまとめています。
著者プロフィール(写真・自己紹介)を出す3つの選択肢
名前だけでなく、写真・肩書き・自己紹介まで出したい場合、方法は3つです。テーマ改修・専用アプリ・ブログ機能をまとめたアプリ。
ここからは「標準の限界を超えたい人」向けの話です。どれが優れているという順位付けはしません。無料の範囲で何が出せるかが3つで違うので、そこを並べます。
選択肢1:テーマ改修(Liquid編集+メタオブジェクト)
テーマのコードを編集し、著者情報を自前で持たせる方法です。前章のとおり user.bio や user.image は当てにできないため、実際にはメタオブジェクトなどで著者データを自分で設計することになります。
自由度は最大で、月額費用もかかりません。その代わり、設計・実装・テーマ更新時の保守を自分で持つことになります。
選択肢2:RuffRuff 著者情報(著者表示の専用アプリ)
著者情報の表示に特化したアプリです。ノーコードで、著者の写真・肩書き・自己紹介を設定できます。無料プラン(フリープラン)でも写真と肩書きが出せるのがこのアプリの強みです。
App Storeの掲載では、対応テーマは Online Store 2.0 テーマです(2026年8月27日時点)。
選択肢3:SwirlKit Blog(著者プロフィールを含むブログ機能アプリ)
私たちが開発しているアプリです。著者プロフィールは無料プラン(Starter)で使えます。「表示名」「写真」「自己紹介」の欄があり、SNSリンクは X / Instagram / YouTube / TikTok の4種に対応しています。
正直に書いておくと、肩書き専用の欄はありません。肩書きを見せたい場合は「表示名」か「自己紹介」に含める形になります。ここは選択肢2のほうが素直です。
なお、同じくStarter(無料)で使える機能として目次があります。導入の考え方はShopifyブログに目次を追加する3つの方法にまとめています。
3択比較表|無料枠で何が出せるか
3つの違いがいちばんはっきり出るのは「無料の範囲で何が出せるか」です。有料機能まで含めると、どれも大差なくなります。
※アプリの仕様・料金は 2026年8月27日時点の各App Storeの掲載内容に基づきます。最新の内容は各アプリのページでご確認ください。
表1:出せる項目
| 項目 | テーマ改修(Dawnベース) | RuffRuff 著者情報 | SwirlKit Blog |
|---|---|---|---|
| 名前 | ○(article.author・設定をONにすれば) | ○ | ○(「表示名」必須欄) |
| 写真 | △ user.image は定義上あるが実運用不可。メタオブジェクト等の自作が必要 | ○(無料プランから) | ○(「写真」欄・JPEG/PNG等) |
| 肩書き | △ 標準欄なし(自作) | ○(無料プランから「肩書設定」と明記) | △ 専用欄なし。「表示名」または「自己紹介」に含める形 |
| 自己紹介 | △ user.bio は非推奨・テーマ未描画。実質自作 | ○(無料はプレーン、リッチテキストは Light 以上) | ○(「自己紹介」欄・リッチテキスト) |
| SNSリンク | △ 標準欄なし(自作) | 有料(Light $4.99〜) | ○ 無料枠から(X / Instagram / YouTube / TikTok の4種) |
表2:無料枠の制限・料金・導入難易度
| 軸 | テーマ改修 | RuffRuff 著者情報 | SwirlKit Blog |
|---|---|---|---|
| 無料枠の著者数上限 | 無制限(自作のため) | 5人まで(フリープラン) | 上限の設定なし(管理画面の一覧表示は100件まで) |
| 無料枠のブランディング表示 | なし | あり(非表示化は Light $4.99〜) | なし |
| 有料に上がる条件 | — | 15人/ブランド非表示/リンク設置/リッチテキスト/翻訳 → Light $4.99/月(年$49.80)。著者無制限/商品・ページ表示 → Regular $9.99/月(年$99.60)。各3日間の無料体験あり | 著者プロフィールは全プランで利用可。有料になるのは別機能(いいね/カード/レポート) |
| 導入難易度 | 高(Liquid編集+メタオブジェクト設計) | 低(ノーコード) | 低(ノーコード) |
| 対応テーマ | — | Online Store 2.0 テーマ | 本記事では未確認 |
表の読み方
無料枠の線の引き方が、2つのアプリで違います。肩書きを無料で設定できるのは RuffRuff 著者情報、SNSリンク4種を無料で出せるのは SwirlKit Blogです。どちらが上ということではなく、「著者情報を丁寧に見せたい」のか「著者から外部へ導線を引きたい」のかで向き先が変わります。
なお、無料枠の著者数はRuffRuffが5人まで。書き手が5人以内なら、この上限は判断材料になりません。
どれを選ぶか|3タイプ別の指針
判断軸は「書き手が何人いるか」「テーマを触れる人がいるか」「著者に何をさせたいか」の3つです。
テーマ改修が向いている人
- 社内やパートナーにLiquidを継続して保守できる人がいる
- 著者表示のレイアウトをデザインに完全に合わせたい
- 著者情報を、記事以外(商品ページ・LPなど)でも自由に使い回したい
自由度と引き換えに、設計と保守を丸ごと引き受ける選択です。テーマを乗り換えるときのコストも自分持ちになります。
RuffRuff 著者情報が向いている人
- 肩書きをきちんと見せたい(監修者・管理栄養士・バイヤーなど)
- 書き手が5人以内で、まず無料で始めたい
- 著者表示以外の機能は要らない。ここだけをノーコードで解決したい
無料プランにブランディング表示が入る点だけ、公開ページの見え方として事前に確認しておくのをおすすめします。
SwirlKit Blog が向いている人
- 著者からSNSへの導線を無料の範囲で引きたい
- 著者プロフィールだけでなく、目次・いいね・記事ごとの売上まで同じアプリでまとめたい
- 書き手の人数がこれから増えるかもしれない
肩書き専用の欄がないので、「監修:〇〇(管理栄養士)」のように表示名や自己紹介に含める運用になります。そこが許容できるかが分かれ目です。
よくある質問(FAQ)
Q. Shopifyのブログに著者を追加するにはどうすればいいですか?
その人をスタッフとして招待し、「ブログ記事とページ」と「ホーム」の両方の権限を付けます。そのうえで記事の「コンテンツ → ブログ記事 → 構成」で著者に選べるようになります。著者だけを登録する専用の画面はありません。
Q. 著者名を変更するにはどうすればいいですか?
記事の著者を別の人に差し替えるなら、記事の「構成」でドロップダウンを選び直します。表示される名前そのものを変えるなら、設定 → ユーザーと権限 → 対象スタッフのプロフィールで姓・名を編集します。
Q. スタッフではない外部ライターを著者にできますか?
管理画面のドロップダウンからは選べません。公式ヘルプに「選択できるのはストアオーナーまたは管理アクセス権を持つスタッフメンバーの名前のみ」と明記されています。Admin APIには任意の名前を渡す仕様がありますが、利用にはアプリ開発が必要で、通常の運用手段ではありません。
Q. 著者に写真や自己紹介を付けられますか?
標準では実質できません。Liquidの user オブジェクトに bio や image の定義はありますが、値がなければnilが返り、Admin APIでは非推奨のマークが付いています。
加えて、多くのテーマがこれらを描画していません(Dawnも user. を参照していません)。写真や自己紹介を出すなら、テーマ改修かアプリのどちらかになります。
Q. 著者名が記事ページに表示されません。
テーマの設定を確認してください。Shopify公式の無料テーマDawnでは、templates/article.json の blog_show_author の初期値が false=初期状態でOFFでした(2026年8月27日取得)。ほかのテーマは未確認ですが、著者表示はテーマ側の設定に依存します。
Q. 「この著者の記事一覧」ページは作れますか?
標準にはありません。ブログの絞り込みURLとして公式に定義されているのはタグのみで、著者で絞り込むURLやテンプレートは公式ドキュメントに存在しません。著者名をタグとして付ければ /tagged/著者名 で擬似的な一覧にはできますが、これは理屈のうえでの方法で、当方では実機確認をしていません。
著者情報とAI検索の関係に関心があれば、ShopifyのブログはAI検索にどう拾われるのかもあわせてどうぞ。
▶ 著者プロフィールは、無料プラン(Starter)で今日から出せます
SwirlKit Blog は、著者の表示名・写真・自己紹介・SNSリンク(X / Instagram / YouTube / TikTok)を Starter(無料)で設定できます。ブランディング表記は入りません。記事上部のバイラインでは、著者名・公開日・更新日をそれぞれON/OFFできます。テーマのコードは触らず、インストールと有効化だけで始められます。
この記事について
ブログ記事の著者プロフィール・目次・いいね・記事ごとの売上計測など、Shopify標準ブログにない機能を補うアプリ「SwirlKit Blog」を開発している Sant Studio が書いています。
本文の前提は、Shopify公式ヘルプ、Shopify開発者ドキュメント(article / user オブジェクト、AuthorInput、Blog templates)、および公式無料テーマ Dawn のソースコードを2026年8月27日に確認したうえで執筆しています。他社アプリの仕様・料金は同日時点のApp Store掲載内容に基づきます。
テーマの挙動についてはDawnで実際に確認した範囲のみを記載しており、他テーマは未確認です。実機で確認できていない事項は、記事中でもその旨を明記しています。